Kukkagalleria:タピオラに咲く、はじまりの一輪
一輪の陶の花が、これから生まれる大きな花園を予感させます。エスポー市タピオラの中央池のそばに設置されたのは、ヘイニ・リータフフタの《Kukkagalleria(クッカガッレリア/花のギャラリー)》の試作品。新しい住宅地区ケラに計画されているパブリックアートの一部を、ひと足早く紹介するものです。
この試作品は、アトリエで進められてきた制作を街の空間へとつなぎます。同時に、作品全体の設置に先立ち、技術的な方法を検証する役割も担っています。
40輪の花がつくる屋外ギャラリー
ケラのDreijanportti(ドレイヤンポルッティ)地下通路に設置予定の《Kukkagalleria》は、40点の大きな陶製の花のレリーフで構成されます。自然とヘイニの想像力から生まれる花々が、人々の行き交う通路にひと続きの世界をつくり出します。日々の移動の途中で出会う、誰にでも開かれた屋外ギャラリーです。
「目を閉じると、さまざまな花が見えてきます。通路を大きな花で満たし、そのレリーフを大きな筆づかいで描きたいと思っています。すべてを細やかに考えながらも、目指しているのは、のびやかで自然な雰囲気です。作品名は展示の仕方に由来しています。ここは、通りかかるすべての人のための屋外ギャラリーなのです。」
— ヘイニ・リータフフタ

ケラの陶芸の歴史を、次の時代へ
かつて工業地区だったケラは、新しい住宅地区へと姿を変えつつあります。地区の名前は、かつてこの地にあったケラ陶磁器工場に由来します。地域のパブリックアート計画は、その歴史を未来へと受け継ぐものです。
選ばれた5作品には、いずれも陶芸とのつながりがあります。参加作家は、ヘイニ・リータフフタ、インカ・ベル、ティーア・マティカイネン、ヴィッレ・ヘイマラ、そしてノルウェーの陶芸家・彫刻家イレーネ・ノルドリ。エスポー市とEMMA(エスポー近代美術館)の合同審査員団によって選ばれた作品は、地区の整備に合わせて順次設置される予定です。
EMMAでコレクションを担当するヘンナ・パウヌは、パブリックアートには地域の個性を育み、その土地の歴史を伝える力があると考えています。ケラ陶磁器工場の物語は、それぞれの作家に異なる形で着想を与えています。

アトリエからタピオラへ
試作品が設置されたのは、タピオラの中央池の西側にある擁壁です。将来の作品の小さな一部分を通して、陶の表面、筆の跡、立体的な造形を間近に感じることができます。
ケラでは、この表現がさらに大きなインスタレーションへと広がります。40輪の花が、日々の暮らしの共有空間へとアートを届けます。
